ブックタイトル肺高血圧症を知る
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肺高血圧症を知る
03肺高血圧症の診断スクリーニング検査肺高血圧症の疑いの強い患者さんを見つけ出すための検査で、以下のような方法があります。●血液検査・尿検査血液や尿を採取して、肺高血圧症の原因となる病気の有無や心不全の程度を調べます。●心電図検査心臓の右側の状態や、不整脈の有無などを調べます。●胸部X線(レントゲン)検査心臓の拡大程度や肺動脈の拡張、肺の状態を調べます。●心エコー検査超音波(エコー)を当てて、心臓の大きさ、かたち、動き、血液の流れなどを調べます。●動脈血ガス分析検査動脈内の血液中の酸素濃度を調べ、肺で十分な酸素が供給(ガス交換)されているかどうかを調べます。●呼吸(肺)機能検査息を吐くときの速度や量を測定して、病気の種類やその重症度を調べます。精密検査スクリーニング検査で、肺高血圧症の疑いが強いと判断された場合に行います。●肺換気-血流シンチグラム検査呼吸機能や、血液の流れの程度を調べるため、微量の放射性同位元素を吸入、あるいは静脈注射して、肺の中での分布状況を専用カメラで観察します。●(胸部)CT検査X線を体の回りにぐるりと当てて、身体の断面映像を撮影する検査です。心臓や、肺動静脈の拡張、肺動脈内の血栓の有無などを正確に調べます。●(胸部)MRI検査非常に強い磁石と電波を利用して、身体のさまざまな角度の断面を撮影する検査です。心臓や、肺動静脈の拡張など、形の変化を正確に調べます。●右心カテーテル検査肺高血圧症の確定、肺高血圧症の分類、重症度、治療効果の判定には必須の検査です。先端にバルーン(風船)のついた特殊なカテーテル(直径2mm程度の細い管)を、肘や手首、首の付け根の血管から心臓まで挿入して、肺動脈、心臓の右側の血圧や血管抵抗、心拍出量(1分間に心臓が送り出す血液の量)などを直接測定します。なお、カテーテル挿入時には部分麻酔を行います。検査内容は、患者さんの症状によって異なってきます。これら全ての検査を受けるとは限りません。10