ブックタイトル肺高血圧症を知る

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概要

肺高血圧症を知る

04肺高血圧症の治療法エンドセリン経路一酸化窒素経路プロスタサイクリン経路●エンドセリン受容体拮抗薬体内で作られている、エンドセリンという強力な血管収縮作用をもつ物質の働きをおさえることによって血管を拡張させる飲み薬です。●ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬PDE5は体内に存在し、血管を拡張する物質である一酸化窒素(NO)の働きを防げます。PDE5阻害薬は、このPDE5の働きを弱めて血管を拡張させる飲み薬です。●可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤sGCは体内に存在する物質で、一酸化窒素と結合して血管拡張を調整する役割があります。肺高血圧症の患者さんはsGCの働きが弱っているため、これを刺激して血管を拡張させる飲み薬です。●プロスタサイクリン(PGI2)持続静注薬PGI2は体内で作られている物質で、強力な肺血管拡張作用と血栓の形成を抑える作用をもっています。肺高血圧症の患者さんはPGI2が減少しているので、これを点滴によって補います。ただし、この薬は、体内に入ると数分間で効果を失います。そのため、携帯用のポンプを使って、24時間持続的に点滴し続ける必要があります。●経口プロスタサイクリン(PGI2)誘導体製剤PGI2の飲み薬で、薬の効果が長続きするような構造になっています。一般的な療法●抗凝固薬(ワルファリンなど)、抗血小板薬(アスピリンなど)肺血管内に血栓ができやすくなるので、予防のために血液を固まりにくくします。●利尿薬(フロセミドなど)体内に必要以上にたまった水分を尿として外に出すことにより、心臓や肺の負担を減らします。●強心薬(ジゴキシンなど)心臓の収縮を助ける働きがあります。●酸素吸入療法肺高血圧症では、全身へ酸素を運ぶ能力が低下し、血液中の酸素量が不足します(低酸素血症)。そのため、場合によっては酸素吸入を行う必要があります。●リハビリテーション状態が安定すれば、正しい呼吸法のもとで適切な量の運動を行うことができます。体力を向上させ、生活をより豊かにしていくことがリハビリテーションの目的です。肺移植薬物療法で効果が現れない患者さんに対する最終的な治療方法です。移植には、脳死肺移植と生体肺移植とがあります。12