肺高血圧症の病態の解明、診断能と治療成績の向上、および治療指針の確立をはかり、貢献することを目的として活動を行っております
日本肺高血圧・肺循環学会 会員の皆さま
日頃より学会活動にご協力頂いており感謝しております。
さて、日本肺高血圧・肺循環学会では、厚生労働省科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究班」と協力して、「肺静脈閉塞症(PVOD)/肺毛細血管腫症(PCH)診療ガイドライン 2022」を作成しております。
2015年PVOD/PCHは指定難病に認定されました。日本肺高血圧・肺循環学会では2017年「PVOD/PCH診療ガイドライン」第一版を発刊しました。2018年ニースで第6回WSPHが開催され、その会議ではPHそのものの概念・定義の変更が提案されています。またPVOD/PCHの位置付けに関する変更が提唱されています。そこで第6回WSPHでの議論を踏まえて「PVOD/PCH診療ガイドライン2022」(第二版)を作成することにしました。
第一版診療ガイドライン作成時は、PVOD/PCHはPAHとは異なる独立した疾患単位でした。しかし、2018年 第6回WSPH Task Forceは、静脈/毛細血管病変は前毛細管性病変から連続しうる病変と提案しています。従来PAHと診断していた症例の中にも、静脈/毛細血管病変は混在しています。逆に、従来PVOD/PCHと診断していた症例の中にも、前毛細血管性病変(肺動脈病変)が混在しています。臨床的帰結(肺血管拡張薬に対する反応性)の観点から考慮するとPAHスペクトラムという考えは正解かもしれません。しかし、静脈/毛細血管病変を示す臨床指標が必ずしも明らかでないため、臨床医の観点からは理解しづらいとも言えます。PAHスペクトラムの中での静脈/毛細血管病変の明らかな特徴を示すPAHのイメージ図としては下記のようになると考えられます。
図. PAHスペクトラムの中での静脈/毛細血管病変の明らかな特徴を示すPAH
診療ガイドラインの目的は、指定難病PVOD/PCH認定基準に入りうる症例に遭遇した場合、患者アウトカムの改善を目指すことです。そこで第二版「PVOD/PCH診療ガイドライン2022」は、PH研究の進展に伴うPHの疾患概念変遷を理解して頂き、PAHおよびPVOD/PCHの位置付けをご賢察頂くことを目的としました。臨床現場での診療ガイドラインの活用が本来の目的ではありますが、曖昧な状況になっていることを理解して頂き、建設的なご意見を継続的に頂ければ幸いです。
会員の先生方にはパブリックコメントを学会事務局まで頂ければ幸いです。
肺静脈閉塞症(PVOD)/肺毛細血管腫症(PCH)診療ガイドライン 2022 統括委員
巽 浩一郎
募集期限
2022年8月5日(金曜日)
「肺静脈閉塞症(PVOD)/肺毛細血管腫症(PCH)診療ガイドライン 2022(案)」の閲覧方法
下記PDF より閲覧ください。
PVOD-PCH診療ガイドライン第二版 7.22(PDF)
ご意見、情報の提出方法
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コメントへの対応・留意事項
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③本診療ガイドラインは作成過程のものであり、「公表された著作物」には該当しません。いかなる形式、手段によっても転載、引用を許可いたしません。
④本診療ガイドラインの著作権は日本肺高血圧・肺循環学会が保有します。