肺高血圧症の病態の解明、診断能と治療成績の向上、および治療指針の確立をはかり、貢献することを目的として活動を行っております
1. 阿部 弘太郎(九州大学循環器内科)
ヒト肺動脈性肺高血圧症の病理組織と血行動態を再現した世界初の疾患モデルの開発に関する研究、および閉塞性肺血管病変の進展・維持における血行動態ストレスの役割解明に関する研究
2. 福井 重文(国立循環器病研究センター心臓血管内科部門・肺循環科)
慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者における右心機能および運動耐容能に対する、バルーン肺動脈形成術の直接効果とバルーン肺動脈形成術終了直後から導入する心臓リハビリテーションの補完的効果の証明
以下、選考委員会からの報告になります。
2016年4月15日開催の日本肺高血圧・肺循環学会理事会で承認された学会奨励賞について、学会奨励賞選考委員として選出された以下5名による審査を行いましたのでご報告申し上げます。
学会奨励賞選考委員会 委員長:桑名正隆(日本医科大学、膠原病内科) 委員:谷口博之(公立陶生病院、呼吸器内科) 江本憲昭(神戸薬科大学、循環器内科) 荻野均(東京医科大学、外科) 土井庄三郎(東京医科歯科大学、小児科) |
選考過程:
2016年5月末までに2名の候補者から応募があり、選考委員長が両者共に応募資格を満たすことを確認した。また、学会奨励賞候補者の中に選考委員の当該施設に所属する者はいなかった。あらかじめ委員全員で評価方法についてメールで協議し、第一段階としての評価シートを用いて各委員が独立して2名の候補者の評価を行い、それらの結果を委員長が取りまとめた上で、メール審議で最終判断することとした。6月半ばに学会事務局から各委員に候補者2名の応募書類が郵送され、6月30日を期限に第一段階の評価シートの提出を依頼した。7月11-19日の間に集計結果をもとに全委員でメール審議を行った。
学会奨励賞は将来の発展が期待される若手研究者に対して表彰するものである。日本肺高血圧・肺循環学会 「学会奨励賞」 選考に関する申し合わせに従って過去5年間の研究成果、研究論文等の業績、今後の肺高血圧症の領域のリーダーとなる資質を有する将来性を主たる評価対象とした。各委員からの2名に対する候補者の評価では、2名の候補者ともにきわめて優れた業績と将来性があり、甲乙がつけられないとの意見に集約された。候補者の専門領域がPAHの病態に関する基礎・臨床研究とCTEPHに対するBPAの臨床研究と大きく異なることも考慮し、委員全員の総意として阿部弘太郎、福井重文両名の受賞を強く推奨すべきとの判断に至った。
日本肺高血圧・肺循環学会 「学会奨励賞」選考委員長
桑名 正隆(日本医科大学)