肺高血圧症の病態の解明、診断能と治療成績の向上、および治療指針の確立をはかり、貢献することを目的として活動を行っております

本学会について

難治性疾患肺動脈性肺高血圧症の新規分子機序を解明に関して

日本肺高血圧・肺循環学会会員の皆様

2017年度 日本肺高血圧・肺循環学会 八巻賞を受賞された東北大学大学院医学系研究科循環器内科学 佐藤公雄 准教授の論文が2018 Circulationに公表されております。

Editorialにもコメントが掲載されております。
情報が遅くなりましたが、下記東北大学HPからの引用になります。
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/05/press20180518-01.html

難治性疾患肺動脈性肺高血圧症の新規分子機序を解明

東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明 教授(当センター センター長)、佐藤公雄 准教授、菊地順裕 医員の研究グループは、指定難病である肺動脈性肺高血圧症(PAH)の新規病因候補遺伝子・タンパク質の網羅的探索を行った結果、これまでPAHとの関連が全く示唆されていなかった新規病因タンパク質としてセレノプロテインP(SeP)を発見しました。多くの臨床検体や遺伝子改変動物を用いた解析の結果、SePがPAHの主な病変部位である肺動脈平滑筋細胞の異常な増殖を進し、PAHの病態に深くかかわっていることを解明しました。
本研究は、発症機序に未解明な点が多く残されているPAHの分子機序の解明と共に、早期発見のための新規バイオマーカー、そして新規治療ターゲットとしてのSePの役割を解明したものであり、世界初のバイオマーカーとしての実用化、新規治療薬の開発などの臨床応用につながることが期待されます。
本研究成果は、4月10日(米国東部時間、日本時間4月11日)に米国心臓協会(American Heart Association, AHA)の学会誌であるCirculation 誌(電子版)に掲載されました。*
本研究は、文部科学省科学研究費補助金、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業、および日本学術振興会科学研究費助成金の支援を受けて行われました。

[研究に関すること]
東北大学大学院医学系研究科循環器内科
教授 下川 宏明(しもかわ ひろあき)
電話:022-717-7152
E-mail:shimo*cardio.med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

*掲載論文
PMID: 29636330 DOI: https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.117.033113
PMID: 30354625 DOI: https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.118.035427